2018年10月アーカイブ

スーツの魔力2

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ラペルと言われる上着の正面の部分を天使の羽のように丸く立体にしよう!

そのために、表地と裏地の間に、馬のたてがみを縫い合わせて作った芯地を使う事を思いついた。(馬のたてがみは、軽く、張りがある)

袖の付け根部分を腕の丸さを生かしつつ、動きやすくしよう!

そのために袖の付け根の丸い部分にそって、「いせ込み」といわれる腕の太さよりかなり長い生地を折り込みながら縫っていく。提灯の上下の金具のワクの部分に紙をじゃバラにして折りたたんで突っ込んでいくみたいに。

提灯は、紙が折り込まれている折り目が見えるが、いいスーツは袖の付け根にしわがあるのは許されない。美しくない。(皆さんのスーツでも確認して下さい)

機械でもこの作業は可能だが、職人の針で一穴、一穴縫い、さらに別の職人によるアイロンがけで形を整えていくのに勝る方法はない。

肩から首に沿って富士山の2合目から5合目のように美しいカーブを作ろう!

そのために「登り襟」とよばれる、襟とボディーを別々に作り、首にスーツの襟が吸い付くようにピタリと収まるように職人のミリ単位の縫製を行う。

これが上手くできると、肩が軽く感じるのみではなく、くっついたら離さないような

一体感が生まれる。 

 

とまあ、スーツの「より美しく」、「より着やすく」を追求した技の数々を語りだすときりがないので、また次の機会に。

 

最後に一つ。

これらの手縫いの技術は、着れば着るほど体になじんでくる。

車でも家電でも、大抵のモノは、買った時が最高の状態。そこから劣化が進んでくる。

しかし、このスーツは、着れば着るほど良くなっていく。これもスーツの魔力である。

 

こういった長年作り上げてきた伝統、職人技が、「田原コンサートのスーツ」には全部ある。ラーメンでいうと「全部のせ」状態である。まさに贅沢である。

そんなスーツを、ぼくは今度オーダーした。少年のころのクリスマスや家族旅行を楽しみに指折り数えた日々がよみがえる。


おまけ 

日本の近代化はスーツで始まった。いろいろなものを西洋から取り入れた際、髪の毛と着物を早々に西洋化した。まさに見た目が変わることにより、人々の意識を変えていった。

ここにもスーツの魔力というか、力がある。

明治天皇が前触れもなく、スーツを着て人々の前に姿を現したそうだ。その時の人々の驚きは、想像に難くない。古き慣習を捨て、見た目を西洋化した勇気には驚く。

スーツの魔力

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諸説あるが、一説によるとスーツが誕生して今年で350年+2年となるそうだ。

「イギリス国王 チャールズ2世による衣服改造宣言 1666年」を起源。

これほど、長く、広く、世界中で人々に愛されてきたウェアは数少ない。

この魔力に取りつかれたのは、世界の元首はじめ、セレブ、果てはジェームス・ボンドやキングズマンまで数知れない。

さらには、そのスーツ道を見極めようと、世界中の職人たちが今も腕を競っている。

より美しく、より着やすく!を求めて。

 

僕自身も、この業界に身を置いて20年を超えた。

先日、改めて「スーツの魔力」に触れた気がした。

まず頭に入れていただきたいのは、スーツは、立体服だということ。(スーツ以外の大抵の服は、それ自体は平面であり、着用して初めて立体となる。しかしスーツは、着る前から立体である。)普通にハンガーにかけても腕や胸の部分に膨らみがある。

しかし考えてみると、布は平面、たよりないほどヒラヒラしている。

 

その布から立体の服を作る。これは思うより難しい。

単純に平面のものを、立体にしようとする時、素材自体にハリコシがあり固くすれば問題は解決する。しかしそれでは、着心地が悪い。中世の鎧や宇宙服などは着心地が最悪だろう。

「ヒラヒラした布を美しい立体にせよ!」このミッションに対し歴代のスーツ職人は、考え、苦労し、試行錯誤しながら独自の方法で実現してきた。それはまるで平面の絵をいかにも立体であるように見せる、といったダビンチやピカソのような画家の作業に似ている。

さらにスーツ職人は、画家にはない難題を突き付けられる。

「着にくい物は、スーツではない!」

ただ単に立体では失格。着やすくして初めて合格となる。

スーツは芸術品であり実用品。見て美しく、着て美しく、そして快適でないといけない。

 

さあ、それから職人は悩んだ。どうすればいい?

 

つづく。

はじめまして! 治山です。 今回から、ブログというものに挑戦します。 「をとこ(男)もす(る)という日記というものを、社長もして心みむとて、するなり。」というか、 「つれづれなるままに・・。」という心情でしょうか。

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